「崖の上のポニョ」は2008年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である
今回は本編中に登場した個人的名言、名台詞を集めてみた。また、名言や名台詞は通常とは異なる言い回しが用いられることも多く「英語でどう言ってるんだろう?」と疑問に思ったことがあったので、英語表現についても調べてみた。ちなみに題名である「崖の上のポニョ」の英題は・・・
である(わかりやすい!)。
*以下の英語表現は市販のBlu-rayの英語字幕を参考にしています(したがって英語吹き替えとは異なる可能性が極めて大)。
「崖の上のポニョ」の名言、名台詞と英語表現
ポニョの名言、名台詞と英語表現
「ポニョ、宗介、好き!」
Ponyo…loves…Sosuke!
魚状態のポニョが初めて話した人間の言葉。ポニョはこのときの気持を原動力とし、父のフジモトのもとから2度めの逃走を果たして宗介のもとに津波とともにやってくる。
ポニョが人間になろうとするきっかけとなる言葉であり、ポニョだけでなく宗介の命運まで決めてしまった呪いの様な言葉である。
こういった台詞の英語がどうなっているかと気になっていたが、基本的には日本語の発想と同じであり、単語を羅列するという形になっていた。
宗介の名言、名台詞と英語表現
「大丈夫だよ、僕が守ってあげるからね。」
Don’t worry, I’ll take care of you.
宗介がポニョを発見後、「ひまわり園」に向かう車の中でバケツの中のポニョに伝えた言葉。
本編中宗介は、このときの約束を頑なに守ろうと賢明に行動する。最終的には世界を救うため生涯にわたり守り抜く羽目にはなるが、宗介がどういう人物なのかを決定づける台詞と言えるのだろう。
英語表現としては「Don’t worry」は良いとして、意外と出てこなさそうなのが「take care of」である。
ついつい「I will save you」としたくなるが、状況としては「take care of」がニュアンスとしてあっているのだろう。
「僕、お魚のポニョも、半魚人のポニョも、人間のポニョもみんな好きだよ!」
I’ll always love Ponyo…whether she’s a fish, a human… or in between.
最後の試練の時、グランマンマーレの「ポニョが半魚人でもいいですか?」という問いに答えた台詞。
5歳の少年らしくなんとも無邪気だが、この無邪気な台詞によって彼の命運は決まってしまった。
英語表現としては「in between」がポイントだろう。一応「半魚人」を表す英単語は「merman」とか「half man-half fish」などがあるようだが、このような直接表現を使わずに「その間の存在でも」という婉曲表現のほうが場面にふさわしいということだろうか。
あるいは「merman」や「half man-half fish」という表現が本編で描写されたポニョのイメージとは異なる単語ということなのかもしれない。
リサの名言、名台詞と英語表現
「宗介さ、運命っていうのがあるんだよ。辛くても運命は変えられないんだよ。ポニョは海で生きるように生まれたから、海に戻ったんだ~って思うな。」
Listen, Sosuke. Maybe it was fate. It just can’t be helped. Ponyo was born in the sea. She went back home, that’s all.
フジモトにポニョを奪還されてしまったことに落ち込む宗介にリサがかけた言葉。「しょうがないでしょ!」と一言で終わることも出来るが、あからさまに落ち込む5歳の息子を賢明に励まそうとするリサの優しさが垣間見える台詞。この後少々車の運転が荒くなるが、それも宗介を元気づけるためだったのだろう。
英語表現としては何と言っても「It can’t be helped.」だろう。直訳的には「それは助けられない」となるが、通常は「仕方がない」と約される。
また、最後に「that’s all」が入ることで、リサが伝えようとする「どうしようもなさ」のニュアンスが入るのではないだろうか。
宗介、今この家は嵐の中の灯台なの。真っ暗な中にいる人は、みんなこの光に励まされているわ。
Sosuke, our house is a lighthouse in the storm. Everyone out there is depending on us
ポニョが宗介と再会した後、嵐が収まったと見るやリサは「ひまわりのいえ」に向かおうとする。そんなリサについていこうとする宗介を立ち止まらせるために放った台詞だった。
宗介達をおいていくことについては賛否両論であろうが、少なくとも彼女は職業人としての責任も果たそうとしたのだ。結局リサは止まっていられない人なのである。
英語表現としては「out there」がポイントだろう。意味としては「そこで、外で、世間では」となる。今回は「外で」という意味合でつかって、「暗闇の中にいる人」を「外にいる人」と考えて「Everyone out there」となったと思われる。
これも中々使えない表現だと思うが、使いこなせるようになると英語が出来る感じは出るね。俺は無理だけど。
耕一の名言、名台詞と英語表現
「宗介だ!あいつは天才だ。まだ5歳だぞ。」
It’s Sosuke! He’s a genius. Only five years old
宗介が自宅からライトを用いてモールス信号を送ってくる様を同僚に伝えたときの台詞。
特段名言、名台詞という程ではないかもしれないが、この言葉をそれはそれは嬉しそうに語ることによって「耕一は家にいつかないけど家族を大事にしてはいるのだ」という印象を与えてくれるので、我々を安心させるという点では重要な台詞だろう。
「お、女の子だ。そうすけと同じくらいの子だ。」
A little girl? She must be Sosuke’s age!
フジモトのもとから二度目の脱走を果たしたポニョを会場で発見した耕一の台詞。
この時は見間違いと思ったかもしれないが、この後耕一はグランマンマーレと遭遇することになるし、帰宅したら5歳の息子との婚約者として再会を果たすことになる。
ここで出会っておいたお陰で衝撃は少々和らいだのではないだろうか。
フジモトの名言、名台詞と英語表現
「あんな愚かで忌まわしい生き物のどこが良いのだ!人間は海から命を奪い取るだけだ。私もかつて人間だった。」
How could you love such disgusting creatures? They rob the sea of life. I was human myself…once.
せっかく奪還した娘のポニョが「人間になる!」と言い出したことに対するフジモトの台詞。
この台詞によって彼の人間や海に対する基本姿勢と、かつては人間であったという事実が分かるのだが…物語の終盤で世界が一変し人間の生活が脅かされる状態になると、喜ぶどころか慌てふためいて事態を収拾しようとしている。
さらに、これほどまでにポニョが人間になることに拒絶反応を示しているのに、グランマンマーレに説得されたのか最終的にはそれを受け入れている。なんとも優柔不断である。
英語表現としては「rob A of B」だろう。意味合いは「AからBを奪う」だが、「rob」を憶えていてもついつい「from」を使いたくなるのが人情と言うものだろう。だが、奴らは「of」を使うようだ。文句を言ってもしょうがないからこれで憶えよう。
「あの人に会えるかと思うと胸が苦しくなってきた。」
When I think of meeting her again…!
人間になろうとするポニョを自らの魔法で抑え込もうとするが、自分一人ではそれが不可能と感じたフジモトが「あの人」こと「グランマンマーレ」に助けを求めようとしたときの台詞。
この台詞があることによって「グランマンマーレ」という存在がどうしようもなく男をとりこにするのだということが分かる。
フジモトはグランマンマーレをこよなく愛しているが、どちらかというと囚われているのである。
字幕の文字制限もあって、英語では「胸が苦しくなる」という部分は「…」にして映像で理解させる作戦を取っているようだった。実際の吹き替えはおそらくそこも表現されていたのではないだろうか。
「ポニョをよろしく頼む」
Take good care of her.
物語のラスト、ようやく観念してポニョを宗介に託すことを決めたときにフジモトが放った台詞。
本編中ず~っと右往左往していたフジモトだったが、よく考えると自分の可愛い娘がどこの馬の骨ともわからんやつと行動をともにしていたのだから、父親としては右往左往して当然であったかもしれない。本編で怒ったことすべてが、フジモトにとって重要な儀式だったのかもしれない。
そして「ブリュンヒルデをよろしく頼む」ではなく「ポニョをよろしく頼む」と言ったところに、彼の切なさと男らしさが凝縮していると見ることが出来るのではないだろうか。
グランマンマーレの名言、名台詞と英語表現
「ねえ、ポニョを人間にしてしまえばいいのよ。」
Listen, dear…what if Ponyo really become human
人間に化けているポニョを取り戻して、彼女が一変させてしまった世界をもとに戻そうと焦るフジモトにグランマンマーレがかけた台詞。
この決断が物語の結末と、宗介の人生を決定づけたことになる。誠に豪胆な人である。
英語表現としては「what if~」。意味合いとしては「~だとしたらどうだろう」となる。
トキの名言、名台詞と英語表現
「風に飛ばされるんじゃないよ!」
Don’t let the wind blow you away!
嵐の中車で帰ろうとする宗介にトキさんがかけた言葉。
初登場時から一癖ある感じで存在していたトキさんだったが、こういう細かな台詞によって「あっ。ただのいじわるばあさんじゃないんだ!」と我々の中にすりこまれて、何やら知らないうちにトキさんを好きになっているのである。
英語表現としては「let A 動詞」の使役形がポイントだろう。これも我々が中々できない発想の表現だと思われる。私なんかも受身形で表現を実現しようしてしまうが、見ればなるほどといったところではないだろうか。
この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。
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