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もののけ姫】登場人物&声優情報一覧とキャラクター考察

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「もののけ姫」は1997年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。

今回は「もののけ姫」の登場人物と声優を振り返りながら、それぞれの魅力や物語について考えていこうと思う。「もののけ姫」の登場人物はどんな人々だったのだろうか?

以下の文章では不意にネタバレが挟まれますので、その点はご注意ください。


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もののけ姫」の主要登場人物&声優一覧

名前 年齢 声優

アシタカ

17歳 松田洋治

サン

15歳 石田ゆり子

エボシ御前

[1]田中裕子

モロの君

300歳 美輪明宏

乙事主

500歳 森繁久彌

シシ神

[1]

ジコ坊

[1]小林薫
[1]
様々な説は存在しているが、年齢については明確な設定は公開されていない。

登場人物&声優の基本情報とキャラクター考察

アシタカ|声優:松田洋治

アシタカの基本情報

物語の主人公、年齢は17歳。東北地方はエミシの末裔の集落で暮らしている。「もののけ姫」はアシタカの故郷を「タタリ神」が襲うことから始まる。

アシタカは見事「タタリ神」を撃退。しかしその際に右腕にその呪いを受け、それを理由に故郷を追放されてしまう。「もののけ姫」という物語を見る上で、我々が最も見過ごしてしまうのがこの「追放されている」という事実だろう。

集落の人々も未来の長であるアシタカを失うことを十分に惜しんでいるし、アシタカがあまりのも潔く集落を去ってしまうがゆえにその苛烈さに気が付かないのだが、アシタカは二度とあの集落に帰れないのである。

●ただ一度涙を流すアシタカ-「もののけ姫」における重要な段落-

そんなアシタカにとってジゴ坊から聞き知った「シシ神」という存在は福音そのものであったに違いない。ジゴ坊と食事を取っていたときにアシタカが聞いた話を言い換えると:

そういえばアシタカくん、ここからもっとず~っと西に行ったところに「シシ神医院」という病院があって、そこの「シシ神先生」は大層な名医だそうだよ。もしかしたらそこで君の病気も治るかもしれない。

といったところだろう。全くなんの宛も希望もない西への旅を続けていたアシタカが見つけた初めての「目的地」が「シシ神の森」だった。

ところが「シシ神」はアシタカの呪いを解いてはくれなかった。つまり、アシタカは「シシ神先生」に次のように言われたことになる:

アシタカくん・・・。その~、病気がさ、治るとか治るとかじゃなくてさ、「これからどう生きるか」ってことをさ、考えることが大事だと私は思うんだ。

これを「シシ神」に言われたアシタカの心中を思うに涙を禁じえない。実際アシタカ本人も、自らの呪いをシシ神が解いてくれなかった現実を前に、この物語でただ一度の涙を流す

そして、この涙の前後でアシタカの生きる目的が明確に変わっている

この涙を流す前のアシタカは「自分のための旅」をしており、この涙のあとのアシタカは「誰かのための旅」をしている。

「誰かのための旅」という優等生的な表現をより優等生的な表現になおすと「世界の安寧のための旅」ということができるし、表面上そのようにアシタカは行動するのだが・・・その真実は間違いなく「サンのために生きる」ということをアシタカは行動原理にしている。

「アシタカの旅」としての「もののけ姫」は、故郷を追われるとう悲劇から始まり、結果的には「サン」という生きる意味を見出し、「タタラバ」というアシタカにとっての新天地を発見したという物語になっていることになる。

つまり、アシタカを中心に考えれば「もののけ姫」はギリギリのハッピーエンドということができるのではないだろうか。

●カヤの小刀問題

アシタカに焦点を絞り、彼の苦境を思うと我々は彼に対して無限の同情ができるのだが、そんな我々の心に僅かな「もやもや」を発生させる事件をアシタカは起こしている。つまり「カヤからもらった小刀をサンにあげちゃう事件」である。

今でも映画館で見たときの気持ちを憶えているが、子供心に「え?あげちゃうの?」と本気で思った。

しかも、その小刀をもらったサンがルンルンダンスで自らの首飾りにしてしまっていることがその「もやもや」を加速させた。

ただ、いい年になるとアシタカの行動を合理化できるような気がしているし、実際あれはいいシーンだと思っている。その辺のことは以下の記事にまとめている:

皆さんはアシタカの行動をどう考えるだろうか。

声優の松田洋治さん

声を担当したのは俳優の松田洋治さん。アニメーションの声優としては「風の谷のナウシカ」のアスベル、「時をかける少女」の高瀬宗次郎、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のマーシャル・マクラクラン(アンドロイドに恋しちゃった人)などを担当している。

宮崎監督が松田さんのキャスティング理由が「崩れた少年をできる役者は多いが凛とした少年をできるのはこの人しかいない」であることが「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」とう制作ドキュメンタリーのなかでナレーションとして語られている。

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サン|声優:石田ゆり子

サンの基本情報

「もののけ姫」のヒロイン、年齢は15歳。モロの君に育てられた人間。作中モロの君は次のようにアシタカに語っていた:

森を侵した人間が、我が牙を逃れる為に投げてよこした赤子

サンは猛烈な敵意を人間に向け、シシ神の森を守るためエボシ御前の首を狙っていた。

そんなサンだが、なぜかアシタカに対しては極めて好意的な態度を取るようになる。その理由をサンは「シシ神が助けたから」と語っていたが、そもそもシシ神のもとに運ぼうと思ったところが特殊だろう。

例えばサンのタタラバ襲撃を収めたのが他の者だったら、シシ神のもとに連れて行かずに殺していたかもしれない。いや、殺していた。

結局のところサンは「そなたは美しい」というアシタカの言葉でおとされたということになるんじゃあない?

あまりにもチョロすぎると思わなくもないのだが、生まれてこの方そんな事言われたこともなかったのだろう。自分の身におきかえてみれば無理からぬことではなかろうか。彼女は15歳である。

●サンにとっての「もののけ姫」

さて、先述の通り「アシタカにとっての『もののけ姫』」は「ギリギリのハッピーエンド」に見えると私は思っているが、サンにとっての「もののけ姫」はどうだろうか?

物語のラスト、サンがあれほどまでに守ろうとした原生林としての「シシ神の森」は大打撃を受けてしまう。

それでもなお僅かな復活を遂げてはいるのだが・・・私たちは知っている「原生林」なるものに出会いたければ屋久島、白神山地、知床といった限られた場所に行くしかなくなっていることを。つまり、「シシ神の森」は本当に失われたのである。

この事実は、サンの物語はあのラストから始まることを意味するのではないだろうか。

アシタカの物語としての「もののけ姫」はアシタカが呪いを受け故郷を追われるという苦境を乗り越える物語であった。

サンも赤子の頃に親に捨てられモロの君に育てられるという苦境を食らったわけだが、彼女の本当の苦境はあのラストから始まるように思えてならない。サンはあのラストの後で、

  • 「シシ神の森」が失われたという事実をくらい、
  • それでも人間への憎悪を捨てることができず、
  • アシタカへの好意も捨てられず、
  • 山犬と共に「神」を失った森で生きる

ことを余儀なくされる。ヤックルとともにあてもない西への旅を余儀なくされたアシタカが食らった孤独の苦しみを、あの後サンは食らうことになる。

結局サンにとっての「もののけ姫」がハッピーエンドかバッドエンドかという疑問そのものが無意味であることがわかる。

願わくは、アシタカにとってのサンが福音であったように、サンにとってもアシタカが福音であったことを祈るばかりである。

やっぱり、「もののけ姫」はしんどい物語だよ。

●サンの顔にある赤い模様はタトゥー

サンのおでこと頬には印象的な赤い模様が入っている。あれはペイントではなく実際にはタトゥーである。

この事実は「もののけ姫はこうして生まれた」という制作ドキュメンタリーでも「臙脂(えんじ)の入れ墨」とはっきりとナレーションが入っている。

ただ、そのタトゥーをいつ入れたのかをはっきりさせる材料はない。

いったいいつ入れたのだろう?

声優の石田ゆり子さん

声を担当したのは俳優の石田ゆり子さん。「もののけ姫」ではアシタカの許嫁であったカヤも担当している。また、「平成狸合戦ぽんぽこ」のおキヨ、「コクリコ坂から」の北斗美樹(コクリコ荘にいた女医)、「真救世主伝説 北斗の拳」のユリア役を担当している。

そんな石田さんだが、「もののけ姫」のアフレコについては様々な苦労があったようである。「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」という制作ドキュメンタリーを見ると、少なくとも

  • カヤがアシタカを見送るシーンの「いつもいつも、カヤは兄様のことをおもっています。きっと、きっと・・・」という台詞
  • サンがアシタカに告げた「お前撃たれたのか、死ぬのか」という台詞

で宮崎監督の指摘と複数回リテイクが入っていることがわかる。

カヤに関しては「兄様」という表現を使う故にアシタカを実の兄だと思って送り出しているように宮崎監督は感じたようで、「カヤはアシタカの嫁になるつもりだったのだ」ということを念押ししている(ドキュメンタリーのナレーションでも石田さんがそのように誤解したかのように誘導している)。ただ、個人的に思うところとしては、石田さんも別に実の兄ではなく「慕っている人」と思ってやったのだが、結果的に監督の琴線に触れなかったというのが真実ではなかろうかと思う。

石田さん本人もそのことをわざわざ言いわしなかったが、それまでに多くの作品に出演した石田さんが「実の妹」として台本を読んだとは到底思えない。結局は石田さんが設定を誤解していたのではなく、単に宮崎監督の望むものではなかっただけのことと思う。

「お前撃たれたのか、死ぬのか」という台詞に関しては、極めて同情的であるべきだろう。宮崎監督は何度もリテイクを出しながら、

  • 同情よりも逆情、
  • 泣いて助けてと言ってくれればよかったのにアシタカは言わない、
  • だからほんとに逆上していいんです

と宮崎監督は説明するのだが、その全てが何やら空虚で掴みどころがない。

ここからは私の単なる妄想だが、実のところサンは「お前撃たれたのか、死ぬのか」という台詞のシーンですでにアシタカに惚れているのである。ただ、その必然性がないことも宮崎監督はしっているので、何やらぼやかした説明になったのだろうと邪推する。

その他にも苦しいシーンはあったようで、公開初日の舞台挨拶で石田さんは。

「ほんとに、おろされるとおもいました、最初は。」「監督は、とてもきめこまかく、繊細な、指示をいつもしてくださったのですが、それが多すぎて、わけが分からなく・・・(もちろん冗談めかして)」

と語っていた。つまり、普通の日本語になおすと「お前何いってんのかわからねえよ!」ということになるだろう。非常に苦しいアフレコであっとは思うが、その原因は宮崎駿がその本心をひた隠しにしたことに所以するのだと思う。石田さんは悪くない。

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エボシ御前|声優:田中裕子

エボシ御前の基本情報

アシタカがたどり着いた「タタラバ」の長(おさ)。そして、自らの故郷を救ったのにもかかわらず「出て行け」と言われたアシタカに対して「賢しらに僅かな不運を見せびらかすな!」と言い放った人物。

少々きつすぎる言葉のようではあるが、エボシ御前本人も倭寇の頭目(とうもく)の妻にさせられた過去を持っており、ゴンザと共謀しその頭目を殺害して倭寇からの脱出を果たしている。その屈辱の日々と、そこからの脱出劇を思えば、エボシ御前の発言も無理からぬ事だったかもしれない。

●エボシ御前の見た夢

そんなエボシ御前であるが、タタラバで製鉄業を指揮する傍ら、「秘密の庭」で石火矢の改良と生産も行っていた。エボシがタタラバに来た際に持ってきた石火矢は明国のものであり、十分な効力を発揮しているが、エボシはそれを更に洗練されたものにしようと画策していたことになる。

それはなんのためか?

もちろん様々な理由が考えられるのだろうが、それはエボシ御前が見た夢を実現するためであったと個人的には思う。この辺のことは以下の記事にまとめている:

エボシ御前はいったいどんなことを実現しようとしたのだろうか。

●サンに同情的なエボシ御前の謎

「もののけ姫」の本編中、エボシ御前は冷酷と慈悲という相矛盾しそうな判断を見せる。物語の序盤で谷の底に落ちた男どもをいともたやすく見捨てたと思えば、サンに関してはなにやら同情的な態度を見せる。

エボシ御前のこの奇妙な判断の理由については以下の記事にまとめている:

エボシ御前の目に、サンはどのように写っていたのだろうか。

声優の田中裕子さん

声を担当したのは俳優の田中裕子さん。ジブリアニメの声優としては「ゲド戦記」のクモ(すげ~怖い黒髪ロングの魔女)も演じている。

エボシ御前はこの人のためにあったと思わせてくれるはまり役だったと思うが、制作ドキュメンタリー「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」を見ると、田中さんが初めてアフレコをした際に宮崎監督本人も「エボシってこういう人だったんですね。」という感想を持つほどであった。

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モロの君|声優:美輪明宏

モロの君の基本情報

シシ神の森に住み、エボシ御前の首を狙う山神。年齢は300歳ほどである。

人間と対立しながらも、自分を恐れて人間が捨てた赤子であったサンを大切に育てる優しさも見せる。

ただ、「人間との対立」と「サンを育てる」ということはそこまで簡単に両立できることではないし、本来なら「矛盾」という表現を使うことになるだろう。

この辺の矛盾に関しては以下の記事にまとめている:

モロの君はどんな思いでサンを育ててきたのだろうか。

●懐が深いモロの君

モロの君を巡る最も有名なシーンは「黙れ小僧!」とアシタカに言い放ったシーンだろう。

その直前、アシタカは「あの子を解き放て、あの子は人間だぞ」と力強く語る。普通に見ているとアシタカの名台詞に思えるのだが、実の親に捨てられたサンを育て上げたモロの君の側に立つと「何いってんの!?」といったところだろう。

それでもなお「黙れ小僧」の一喝で終わらせたのは、サンがアシタカを好いているという事実を知ってしまってたからなのだろう。傷ついたアシタカを甲斐甲斐しく介抱するサンの姿にモロの君は「やっぱりサンは人間なのだな」と思ったのかもしれない。

なんとも切ない話だが、「黙れ小僧」の一言は「結局サンは人間なのだ」という認めたくない事実に対する最後の反抗だったのだろう。

結局このシーンは、モロの君の本音が出たシーンに見せかけて、彼女の懐の深さを垣間見ることのできるシーンになっているのだろう。

このような「二面性」が「もののけ姫」のテーマの一つとなっているようにも思われる。

●モロの君は乙事主と「いい仲」だった。

「もののけ姫」の本編だけを見ていてもおおよそ気づくことのできない事実として、モロの君と乙事主はかつて「いい仲」だったという事実がある。つまり、恋愛関係にあった。

おいそれと信じることのできない事実ではあるが、「もののけ姫はこうして生まれた」というドキュメンタリーのなかで、モロの君と乙事主が対面するシーンのアフレコをしているときに宮崎監督から語られていることが確認できる。

どんな恋愛模様だったかも気になるが、二人がどの地域でそんな恋愛をしていたのかということのほうが気になる。

二人はどんな恋愛をしていたのだろうか?

声優の美輪明宏さん

声を担当したのは職業「美輪明宏」の美輪明宏さん。アニメーションの声優としては「幻魔大戦」のフロイ、「ハウルの動く城」の荒地の魔女などを演じている。いずれも何やら超越的な雰囲気のある存在である。

制作ドキュメンタリー「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」を見ると、美輪さんの「モロの君理解」が極めて正確であり、宮崎監督が望むものであったことがわかる。

また、モロの君が乙事主と再開するシーンで宮崎監督から「乙事主とモロはむかし『いい仲』だった。100年前に別れた」という設定を聞かされ「猪と犬が!?」と驚きながらも面白がっているシーンも収録されている。

完成披露記者会見の際には「300歳の犬神のやくということで、これほど実年齢に近い役は初めてだった」という旨の発言をして会場をわかせていた。

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乙事主|声優:森繁久彌

アシタカの基本情報

九州(鎮西)からシシ神の森にやってきた猪の神。

一族を引き連れてシシ神の森に来た上に「たとえ我が一族がことごとく滅ぼうとも、人間に思い知らせてやる」と語るあたり、九州地方では完全に人間との戦いに負けきったということを意味しているだろう。

また、シシ神の森においてもナゴの守が敗走しているところを見るに、根本的に「山を守る」という役割は猪に帰属していたということになるように思える。

それ故に彼らはナゴの守が敗走し、タタリ神になったことが受入れられたなかったのだろう。

●モロの君と「いい仲だった」

上述の通り、乙事主はモロの君とかつて「いい仲」だったのだが・・・乙事主が九州(鎮西)の主であり、海をこえなければシシ神の森に来ることができないのに、モロの君とどのように出会い、恋に落ちたのか・・・。

これは想像というよりは妄想というべきなのだが、

かつてまだ若かった乙事主は九州地方を牛耳る親を持ちながらもギリギリ自由な立場にあった。そんな乙事主は最後の自由を使って旅に出る。名のある「シシ神の森」で出会ったのが若き日のモロの君だった。二人は恋に落ちたのだが、故郷の長として君臨しなければならない乙事主はモロの君を残し、故郷へ帰った。

くらいのロマンスがあったのかもしれない。ある意味でアシタカの真逆をやったのが乙事主だった。

つまり、アシタカはあるはずだったカヤとの日々を失ってシシ神の森でサンに出会い、乙事主はあるべき日々をモロの君と享受し、故郷に帰った後にあるべき所帯を持ち、その生命の尽きるときに昔の女に会いに来た。

アシタカが誰よりも憎むべきだったのは乙事主だったと私は思う。

声優の森繁久彌さん

声を担当したのは俳優の森繁久彌さん(1913-2009(享年96際))。森繁久彌の声優業とえば「白蛇伝」の男性すべて役。「白蛇伝」は宮崎監督の人生を変えた作品であり、制作ドキュメンタリー「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」を見ると、「白蛇伝を見てこの仕事に付きたいと思ったんです」とアフレコ現場でもそのことを森繁久彌に直接伝えていることがわかる。

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シシ神(デイダラボッチ)

シシ神の基本情報

その名を関する「シシ神の森」に住む神。無数に生えた樹木の角、猿(人間)のような顔、猪のような胴体を持つ。つまりはこの世界の命の集合体のような姿をしている。

また、対象の命を奪ったり与えるといった超越的な能力を持つ。

アシタカはシシ神に右腕にうけた呪いを解いてもらうことを期待し「シシ神の森」にも向いたが、結局その呪いが完全に言えることはなかった。

また、ジコ坊は「不老不死」の力があるとしてやんごとなき存在から依頼され、その首を狙い。エボシも「天朝」との密約によってそれを手伝った。

シシ神は夜になると巨大な「デイダラボッチ」にその姿を変える。宮崎監督はデイダラボッチを「夜そのもの」として描いており、巨大なその姿はまるで夜の空が動いている用に見える。

ジコ坊|声優:小林薫

ジコ坊の基本情報

物語の序盤、ナゴの守をタタリ神にまでした石火矢のつぶてを見せるアシタカに「シシ神の森」というヒントを与えた人物。

結局アシタカの呪いが解かれることはなかったが、「タタラバ」という新天地を見つけ、サンにも出会うことができたことを考えると「もののけ姫」の作中最大のアシストをしたという事ができるだろう。

ただ、アシタカと初めてあった時点でジコ坊は「シシ神の森」にある種の答えがあることは完全に認識したはずで、それを隠してヒントだけを与えたジコ坊の腹黒さは認識すべきだろう。

●謎の組織「師匠連(ししょうれん)」

そんなジコ坊は「師匠連」なる謎の組織の一員であり、超人的な身のこなしを本編中に見せている。帝からの勅命を受けてシシ神の首を狙っていたので「師匠連」は天皇の直轄組織のようにも思えるのだが、少なくとも本編中に「師匠連」について何かを確定させる情報はない。

ただ、「もののけ姫はこうして生まれた。」というドキュメンタリーの中で、「師匠連」の構成員らしき人々が明の僧を神輿で運んでいるイメージボードが移されている。

初期構想としては明国に本拠地を持つ組織ということになっていたのかもしれない。

声優の小林薫さん

声を担当したのは俳優の小林薫さん。アニメーションの声優としては「ギブリーズ episode2」のトシちゃん、「ゲド戦記」の国王役を演じている。

甲六|声優:西村雅彦

甲六の基本情報

物語の序盤、モロの君の襲撃によって崖下に落っこちた人物。奇跡的にアシタカに発見され命拾いをする。

また、この英雄的な行動によって、アシタカは基本的に「タタラバ」の人々から好感を持たれることになる。

最終的にアシタカは「タタラバ」で暮らすことを決断するが、極めて好意的に受入れられたことだろう。

声優の西村雅彦さん

声を担当したのは俳優の西村雅彦さん。アニメーションの声優としては「ギブリーズ episode2」の野中くん、「風立ちぬ」の黒川を演じている。

西村さんの声と演技もあいまって、甲六はある種のコメディーリリーフになっている。はじめから宮崎監督が意識したものかどうかは分からないが、結果的には「もののけ姫」見る側がふっと安心できる閑話休題を与えてくれていると思う。

制作ドキュメンタリー「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」を見ると、西村さんの「叫び声」の演技に宮崎監督が感心していたことがわかる(「自然でうまい!」という感想だった)。また、エボシ御前を演じた田中裕子さん同様に「甲六ってこういう人だったんですね」と述べていた。

また、地侍に襲撃されているタタラバに戻ったアシタカに弓矢を返し、再び手を降って見送るシーンに「いいんだ!いいんだ!」という台詞が入っているが、これは西村さんのアドリブが採用されたということもわかる。

ゴンザ|声優:上條恒彦

ゴンザの基本情報

エボシ御前の側近。大柄な男であり強面でもある。ただ「もののけ姫」本編ではコメディーリリーフを担当しており、ゴンザの登場シーンでは不思議とホッとできる構造になっている。

そんなゴンザはエボシ御前が倭寇にいた頃からの部下であり、忠義に厚い男であることがわかる。

おそらくは剣の腕前もあるのだろうから、彼の勇姿をぜひとも見たかった。

声優の上條恒彦さん

声を担当したのは歌手、俳優の上條恒彦さん。アニメーションの声優としては「紅の豚」のマンマユート・ボスや「千取人の神隠し」で千の父役などを演じている。

トキ|声優:島本須美

トキの基本情報

甲六の妻。本人の気質なのか女社会であるタタラバの状況によるのなのか分からないが、気の強い女性であり、所謂「肝っ玉母さん」感のある人物である。

作中タタラバの女衆を指揮する姿が描かれ、優れたリーダーシップを持っていることもわかる。

声優の島本須美さん

声を担当したのは声優の島本須美さん。「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリス、「風の谷のナウシカ」のナウシカの声は島本さんが担当している。TVアニメでは「めぞん一刻」の音無響子、「それいけ!アンパンマン」のしょくぱんまん などを担当している。

当時すでに熟練の声優さんだったのだが、アシタカがタタラの番子連中を訪れた際に「せっかくだから、変わってもらいな」という台詞に何度もリテイクが出たという事実がある。おそらく、あの場所にアシタカがいることが邪魔でしかないという事実を表現するのに時間がかかったのだと思う。

山犬|声優:渡辺哲

山犬の基本情報

モロの君の子であり、血の繋がらないサンの兄弟ということになる。

どう見ても母親のモロの君より小さいが、それが乙事主の語っていたような「一族が小さくなる」という現象のあらわれなのか、単に時間が経てば大きくなるのかは分からない。個人的にはあれで打ち止めだと思っている。

この二匹の山犬に関して忘れられないのは「食べていい?」の一言だろう。

私が「もののけ姫」を映画館で見たときには小学校高学年だったので言うほど笑うことはなかったが、くすっとは来ていたし、映画館に来ていた自分よりも小さい子どもたちはきちんと笑っていた。

宮崎駿の凄さの一つはこういうところだろう。彼が人を笑わせようとしているシーンで、我々は確実に笑うのである。

声優の渡辺哲さん

声を担当したのは俳優の渡辺哲さん。アニメーションの声優としては「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津銀次、「猫の恩返し」のルナルド・ムーンなどを演じている。

ヒイ様|声優:森光子

ヒイ様の基本情報

アシタカの故郷の巫女という立場だが、実質的な長となっているように見える。

何やら物腰は柔らかいが、アシタカに対して「集落を去れ!」と実質的に告げた人物でもある。

「もののけ姫」という物語はアシタカが集落から追放されることから始まるのだが、アシタカが追放されるまでの描写で何やら不思議な部分がある。つまり、物見やぐらにいたじいさまやヒイ様はなぜかタタリ神を知っているという不思議である。

特にじいさまの反応は早く、間違いなくかつて見たことのあるような描写であった。

ということは、あの集落、あるいはあの集落を含む地域はかつて「タタリ神」に襲われた事があるのではないだろうか。

この辺のことは想像の域を来れることはないのでどうしようもないのだが、

声優の森光子さん

声を担当したのは俳優の森光子さん(1920-2012(享年92歳))。アニメーションの声優としては「もののけ姫」のヒイ様役以外演じてはいないようである。

制作ドキュメンタリー「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」において宮崎監督がヒイいついて「陽気な卑弥呼」という説明を森さんに直接行っていた。我々が見たヒイ様は「陽気」とは程遠い様子だったが、日頃は陽気で人々と打ち解けた存在だったのだろう。その姿をぜひとも見たかった。

ちなみに、「もののけ姫」で最初にアフレコに臨んだのが森光子さんとアシタカ役の松田洋治さんである。

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タタリ神(ナゴの守)|声優:佐藤允

タタリ神の基本情報

アシタカの集落を襲撃したタタリ神。その正体は「シシ神の森」に生息する猪たちを束ねる山の神(猪神)。タタリ神となったナゴの守を討ち取り、その呪いをうけたことがアシタカにとっての「もののけ姫」の始まりだった。

ナゴの守を敗走に追いやった張本人こそがエボシ御前であり、彼女のはなった石火矢のがナゴの守に死の恐怖と絶望を与えた。乙事主が「シシ神の森」についれてきた猪たちの発言を根拠にするならば、ナゴの守にとって「敗走」とは死よりも避けるべき恥ずべき行動だったのだろう。

その屈辱、森を追われた悲しみ、そして死の恐怖が誇り高きナゴの守をタタリ神にしてしまった。

また、エボシ御前本人が言っていたように、ナゴの守がその憎しみをぶつけるべきなのはエボシ御前ということになるが、ナゴの守はタタリ神になりながら何故かエボシ御前のいない東へ東へと疾走し「人間そのもの」へその憎しみをばらまいたことになる(壊滅した集落もいくつかあったかもしれない)。

何やら「不条理な憎しみ」とも思えるが、憎しみとはそもそもそういうものであり、憎しみに駆られたものは無意識に周りを巻き込みながら自らを疲弊させ自滅していく。

それをわかっていたからこそアシタカは、その中にある憎しみを爆発させまいと賢明に耐えたのだろう。アシタカがサンに出会うことができていなかったら、その憎しみと向かい合う理由を失い、どこかのタイミングでタタラバを壊滅させるタタリ神になったかもしれない。

返す返すもアシタカにとってサンはまさに「福音」であった。

声優の佐藤允さん

声を担当したのは俳優の佐藤充さん(1934-2012(享年78歳))。アニメーションの声優としては「もののけ姫」のナゴの守以外は担当していないようである。

制作ドキュメンタリー「もののけ姫はこうして生まれた(PR)」によると、どういう経緯か分からないが、ナゴの守が死にゆくシーンを事務所で見た佐藤さんがぜひともやりたいということでこの役がきまったようである(声優が決まっていく実際のプロセスってわかんないよね)。

さらに、実際のアフレコではピンマイクを佐藤さんの喉にテープで貼り付けることで、実際の声と喉の震えの両方を混ぜることによって声が実現されている。ナゴの守のあのこもった呪いの声はそのような工夫のなかで作られたことが制作ドキュメンタリーを見るとわかる(これは録音を担当した井上秀司さんのアイディアであったこともわかる)。

アニメーション制作における録音の歴史も実に興味深いが、それを系統的にしることのできる文献や映像はあるのだろうか?あるのならぜひとも見てみたい。

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牛飼い頭|声優:名古屋章

牛飼い頭の基本情報

タタラバの牛飼いのまとめ役。甲六ら谷底に落ちてしまった仲間たちを助けてくれたアシタカに対して好意的な態度をとっている。強面だが情に厚い人でもあるのだろう。

声優の名古屋章さん

声を担当したのは俳優の名古屋章さん(1930-2003(享年72歳))。声優としては「トイ・ストーリー」のMr.ポテトヘッド(初代)や、「ジャングル大帝(1965)」のパンジャ役などを演じている。

病者の長|声優:飯沼慧

病者の長の基本情報

エボシ御前の「秘密の庭」で病の床に伏していた人物。同じように病を抱えながら石火矢の改良を行っている面々の長。

彼の言葉によると、エボシ御前は単に彼らを引き取って匿っているだけではなく、その体を洗いきちんと看病している。その病故に人々から蔑まれてきたであろう彼らにとってエボシ御前の存在はとても大きなものだっただろう。

基本的にはタタラバにおいても牛飼いや番子とは隔離された場所で暮らしているが、タタラバの面々も別に彼らに差別意識はもっていないようである。少なくともおトキさんはその一人と掛け値なしに関係を築いている様が物語の終盤、地侍からの襲撃に対抗する場面で描かれている。

極めて苦しい状態にいる彼らだが、物語のラスト、自らの首を取り戻したシシ神の力にさらされたことによってその病が癒えたような描写がある

非常にハードな状況を取り扱った「もののけ姫」という物語の中にある極めて感動的な描写ではあるが、それが目立つように描かれていないのは、我々の社会はまだすべての「病」を癒やすことができていないという現実がるからだろう。

声優の飯沼慧さん

声を担当したのは俳優の飯沼慧さん(1926-2011(享年85歳))。アニメーションの声優としては「ゲド戦記」のルート役も演じている。

キヨ|声優:香月弥生

キヨの基本情報

「キヨ」と言われても通常誰のことかわからないと思うが、アシタカを誤って撃ち抜いてしまったあの人である。

声優の香月弥生さん

声を担当したのは声優の香月弥生さん。ジブリ作品としては「ハウルの動く城」のレティー役も演じている。

ジバシリ|声優:冷泉公裕

ジバシリの基本情報

獣の皮を被り、その血を塗ることによって山のもののけたちに人間とバレないように行動する。

ジコ坊と共にシシ神の首を手に入れる作戦に参加している一方、「シシ神の姿を見ると目が潰れる」という発言から見て取れるようにある種の信心深さをも兼ね備えている。

一件矛盾にも見えるのだが、これは狩人が山の神に祈りを捧げるようなものであり、そのような祈りや信仰心によって矩を超えない生き方をしているのだろう。

また、本編中に猪の皮を被って山を疾走する姿は超人そのものであり、どのようにしてあの動きを実現しているのか皆目検討もつかない。誰か実現してみてくれないものだろうか。

声優の冷泉公裕さん

声を担当したのは俳優、演出家の冷泉公裕さん(1947-2019(享年71歳))。アニメーションの声優としては「世界名作童話-あら人と魔法のランプ(1982)」の大臣の息子役も演じている。

その他の登場人物

  1. カヤ|声優:石田ゆり子
  2. エミシの少女A|島本須美
  3. エミシの少女B|飯沼希歩
  4. じいじ|声優:飯沼慧
  5. 牛飼い
    1. 声優:冷泉公裕
    2. 声優:近藤芳正
    3. 声優:坂本あきら
    4. 声優:斉藤志郎
    5. 声優:菅原大吉
  6. タタラバの女
    1. 声優:藤貴子
    2. 声優:山本郁子

もののけ姫」の英語版声優一覧

キャラクター名 声優
アシタカ ビリー・クラダップ
サン クレア・デインズ
カヤ タラ・ストロング
エボシ御前 ミニー・ドライヴァー
ジコ坊 ビリー・ボブ・ソーントン
甲六 ジョン・デミータ
ゴンザ ジョン・ディマジオ
モロの君 ジリアン・アンダーソン
ヒイ様 ディーディー・グリーン
乙事主 キース・デイヴィッド
ナゴの神 ジョン・ディマジオ
トキ ジェイダ・ピンケット・スミス

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シフルはどうなんだい?
「ジブリ作品」と聞かれたら「平成狸合戦ぽんぽこ」と答えることにしている。

この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。


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北国出身横浜在住の30代独り身。日頃は教育関連の仕事をしていますが、暇な時間を使って好きな映画やアニメーションについての記事を書いています。利用したサービスや家電についても少し書いていますが・・・もう崖っぷちです。孤独で死にそうです。でもまだ生きてます。だからもう少しだけ生きてみます。
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