ホーム・アローン2(20th Century Studios公式)」は1992年に公開されたクリス・コロンバス監督、ジョン・ヒューズ脚本(どちらも1作目と同様)によるコメディ映画である。

今回は、前作に続きニューヨークを舞台に繰り広げられた「ホーム・アローン2」に関する雑学、豆知識をまとめていこうと思う。華やかなプラザホテルやダンカンのおもちゃ屋の裏には、意外な「大人の事情」や、演者たちの体を張ったエピソードが隠されている。

*この記事は、すでに「ホーム・アローン」を鑑賞済みで、大まかなストーリーをご存知の方向けの考察となっています。「あらすじや結末を忘れてしまった」「もう一度ストーリーを振り返りたい」という方は、先に以下の記事をご参照ください。

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AIによる音声サマリー

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ホーム・アローン2」の雑学&豆知識集

映画のトリビアや撮影裏話が記されたメモや写真が貼られたコルクボードを背景に「嘘から出た実?!」という文字が配置されている

ドナルド・トランプの出演は「撮影許可の条件」だった

ケビンがプラザホテルでロビーの場所を尋ねる相手として、当時のホテルのオーナーであったドナルド・トランプが登場するシーンは有名である。

実はこの出演、制作側が望んだものではなく、トランプ側からの「交換条件」として強引にねじ込まれたものであった。クリス・コロンバス監督の証言によると、プラザホテルでの撮影交渉をした際、トランプは「ホテルを使える唯一の条件は、私が映画に出ることだ」と要求したという。

監督は当初、編集段階でこのシーンをカットするつもりだったが、試写会でトランプが登場した瞬間に観客から歓声が上がったため、「観客が喜んでいるなら」と本編に残すことを決めた。まさに「偶然」と「大人の事情」が生んだ名シーンといえる。

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夢の「ダンカンのおもちゃ箱」は実在しない

ケビンが訪れる夢のようなおもちゃ屋「ダンカンのおもちゃ箱(Duncan’s Toy Chest)」。収益を寄付する心優しいオーナー、ダンカン氏が登場するこの店は、ニューヨークの観光名所のように描かれているが、実は架空の店舗である。

モデルとなったのは実在する有名店「FAOシュワルツ」だが、映画の撮影に使われたのはニューヨークではない。外観はシカゴにある歴史的建築物「ルッカリー・ビル(The Rookery Building)」、内観はシカゴの「アップタウン・シアター(Uptown Theater)」の中にセットを組んで撮影された。

劇場の広大な空間を利用することで、あのような圧倒的なスケールのおもちゃ屋を表現することが可能になったのだ。

大ヒット玩具「トークボーイ」は映画のために作られた小道具だった

ケビンが劇中で巧みに使いこなす変声機能付きカセットレコーダー「トークボーイ(Talkboy)」。ホテルの予約を入れたり、泥棒の会話を録音したりと大活躍するガジェットだが、実はこれ、映画のためにデザインされた架空の小道具で、撮影当時は実在しなかった。

しかし、映画公開後に子供たちから「あれが欲しい!」という問い合わせが殺到。これを受けてTiger Electronics社が商品化に乗り出した。

最初に発売されたモデルは映画のような変声機能がない単なる録音機で不評だったが、翌年に映画と同じ機能を搭載した「デラックス・トークボーイ」が発売されると爆発的なヒット商品となった。映画のプロップ(小道具)が現実に商品化され、玩具市場を席巻した珍しい事例である。

さらに汚れた魂の天使」もまた、架空の映画である

前作で泥棒撃退に使われたギャング映画『汚れた魂の天使』。本作ではその続編となる『さらに汚れた魂の天使(Angels with Even Filthier Souls)』が登場する。

「メリー・クリスマス、汚ねえ動物め!そして新年おめでとう!(Merry Christmas, ya filthy animal! And a Happy New Year!)」という名台詞でホテルマンを撃退するこの映画も、やはり本作のために作られた架空の映画である。

ギャングのジョニー役を演じたラルフ・フーディは前作から続投しているが、彼はこの「架空の続編」を撮影するためだけに再びセットに呼び戻された。なお、元ネタとなっているのは1938年のジェームズ・キャグニー主演映画『汚れた顔の天使(Angels with Dirty Faces)』である。

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ジョー・ペシは帽子に引火するシーンで本当に大火傷を負った

前作に続き、泥棒ハリーを演じたジョー・ペシ。本作でもケビンの罠によって散々な目に遭うが、特に「ドアを開けた瞬間に頭上のバーナーから火が噴き出し、帽子が燃える」シーンの撮影は過酷を極めた。

CG技術が未発達だった当時、このシーンは実写で撮影されたが、ジョー・ペシは後にインタビューで「このシーンの撮影中に頭頂部に重度の火傷(serious burns)を負った」と明かしている。

彼は「あの手のフィジカルなコメディには、打撲やアザはつきものだが、頭の火傷はさすがにきつかった」と語っており、画面に映る彼の苦悶の表情の一部は、演技を超えた本物のリアクションだった可能性がある。

鳩おばさん」の鳩の一部は本物で、口に入るハプニングも

セントラルパークでケビンを助ける「鳩おばさん」。彼女の周りには常に大量の鳩がいるが、撮影には数百羽の本物の鳩と、精巧に作られた偽物の鳩が混ぜて使用された。

泥棒のマヴ(ダニエル・スターン)が鳩の群れに襲われるクライマックスのシーンでは、一羽の鳩が実際にダニエル・スターンの口の中に飛び込んでしまったという逸話がある。

スターンは「鳩の羽毛と味が口いっぱいに広がって最悪だった」と振り返っているが、彼のあげる悲鳴は間違いなく本心からのものであっただろう。

プラザホテルのカーペットはケビンのために撤去された

ケビンがホテルマンから逃げる際、床を滑ってエレベーターに飛び込むシーンがある。このシーンを撮影するために、制作チームはプラザホテルのロビーにあったカーペットを一時的に撤去し、床を露出させた

興味深いことに、撮影終了後、当時のオーナーであったドナルド・トランプはこの「カーペットがない状態」を非常に気に入り、「カーペットを戻さずにそのままにしてくれ」と指示したという。

映画の撮影が、ニューヨークの歴史あるホテルの内装を変えてしまったという、意外な「使用後の変化」である。

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北国出身横浜在住の30代独り身。日頃は教育関連の仕事をしていますが、暇な時間を使って好きな映画やアニメーションについての記事を書いています。利用したサービスや家電についても少し書いていますが・・・もう崖っぷちです。孤独で死にそうです。でもまだ生きてます。だからもう少しだけ生きてみます。
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